POP FFAGのコミッショニング手順案 I. 入射器と入射路 目的: マスタートリガーのタイミングに従い、設定されたパルス幅の  陽子ビームをインフレクターに導く。はじめはorbit(中心軌道)を  あわせることを第一目標として、optics(ベーター関数の最適化)には、  あまりこだわらない。 手順: I-0.主電磁石の磁場を立ち上げる。電流値は、デザイン値を与える。 FとDの磁場の向きを確認する手段? 計算の上で、FとDにどれだけの電流を流せば、チューンが 共鳴から遠いところに置かれるかあたっておく(相場)?  I-1.マスタートリガーパルス(KEKPS電磁石電源の影響をさける  ためにKEKPSのARCまたはP1を使うのがよい?)をスタートの  タイミングとして、ある時間幅に設定したビームパルスを  イオン源から出す。 ビームパルスの時間幅の可変範囲? 立ち上がり(立ち下がり)時間? チョッパーの有無? I-2.入射路のファラデーカップを用いて、入射路前半のorbit合わせ  を行う。orbit合わせは、ファラデーカップでの電流値が最大となる  調整と定義する。 ファラデーカップをorbitの中心に位置させる手順? ステアリングの組み合わせで、ファラデーカップでの         orbitが、上下左右にどの程度可変可能であるかの評価? トリプレットQを調整するために、なにを見てなにを  合わせるか(たぶん、はじめは計算した強さを入れる。  ビームを見ての調整は行わない。)? I-3.セプタムの電極に電圧をかけずに、そこに当たるビーム強度から  入射路後半のorbit合わせを行う。 なにをもって、orbitが合ったといえるか(ビーム強度  最大を探せばよいのか。orbitが多少ずれても、ビーム  強度に大きな変化が見られないのではないか)? ステアリングの組み合わせで、セプタムの位置でのorbitが  上下左右にどの程度可変可能であるかの評価? ソレノイドを調整するために、なにを見てなにを合わせるか  (たぶん、はじめは計算した強さを入れる。ビームを  見ての調整は行わない。)? II. 入射から周回 目的: バンプ軌道の立ち上げタイミングを合わせ、ビームを周回軌道に導く。  モニターを見ながら、1/4周、3/4周、そして数周とビームを周回させる。残留  ガスとの衝突によって決まるビームライフタイムまで、ビームが回り続ける  ことを確認する。 手順: II-1.セプタム電極に電圧を印加する。 電圧の微調整は必要か(その場合、なにを見て調整する か)?          入射ビームのエネルギーが変化したときに、セプタムによる  曲げ角の変化と、位相空間上での入射点の変化の評価? DCまたはパルスオペレーション? II-2.マスタートリガーパルスのある時間手前から、バンプ電極に電圧を  かける。(または、マスタートリガーによってバンプ電極に電圧をかけ  イオン源の立ち上がりを、それに対して遅らせる。) バンプ電極にかける電圧の波形(立ち下がりのスロープの  傾き)とそれを作るファンクションジェネレーター? 電圧とorbitシフト量の関係(計算値を用意する)? II-3.1/4周下流でのファラデーカップでビーム電流の測定。ここまでの測定  では、よほどほかに手段が見つからない場合を除き、FとDの電流値  (チューン)は変更しない。 ファラデーカップをどの位置(半径方向)に設置するか? ファラデーカップの電流を見ながら、セプタムおよびバンプ  の電圧を調整する手順をどうするか(調整ノブは、  セプタムとバンプの電圧、バンプを立ち下げるタイミング  とその速さ)? なにをもって、ファラデーカップを使った調整をしたという  か(ファラデーカップのある一点では、入射調整は  不十分。たぶん、ここでの電流が最大となるセプタム  およびバンプのいくつかの組み合わせ(一つの値では  ない)をサーチする)? II-4.3/4周下流でのビームポジションモニター(バンチモニター)での  ビーム電流の測定。ここでも、なるべくFとDの電流はデザイン値のまま  変化させない。 入射ビームが自然に持つ時間構造を使い、ビームポジション  モニターでビームを測定できないか(少なくとも時間構造  )? または、RFのギャップ電圧、またはコアに2次巻き線をつな  いでMAコアを電流モニターとして使えないか? 1/4周前のファラデーカップで電流値が最大になるセプタムと  バンプの設定値のなかで、さらに3/4周後でのビーム位置が  デザイン通りとなる組み合わせがあるか? セプタムとバンプのノブを変化させたとき、3/4周下流で  のビーム位置の動きはどの程度になるかの評価? II-5.周回ビームのライフタイムが長くなるように、調整する。ノブとして  調整するものは、順番に1)セプタムとバンプ、2)入射路のトリプレットQ  とソレノイド、3)FとDの電流(チューン)。 周回ビーム(rfなし)をどのように見るか(DCCTの役割)? III. RF捕獲と加速 目的: あらかじめ立ち上げておいたRFバケツにビームを入射し、捕獲する。その後に  周波数をスイープし、ビームを加速する。 手順: III-1.RF捕獲に必要な最小限のRF電圧を、ビーム入射に先立ってたてておく。  周波数は、デザイン値とする。 電圧がかかっていることの確認? III-2.3/4周後のバンチモニターを見ながら、入射ビームに合う周波数を  サーチする。 バンチ波形がきれいに(シャープに)なる周波数が最適  周波数としてよいか? 周波数のサーチ範囲をあらかじめあたっておく(1kHzの変化  が運動量に換算してどれだけに相当するか)? 周波数の安定性は問題ないか(温度変化によるドリフトなど  )? 時間とともにバンチ構造は変化するか? III-3.50keVでのライフが長ければ、アディアバティック捕獲もテストする。 シンクロトロン振動数から考えて、RFの立ち上げ時間は  どの程度か? 最終的な電圧はどこまで上がるのかよいか? III-4.50keVでチューンを測定する。 水平垂直チューンは、ビームポジションモニターで測定可能  か? 縦方向チューンは、バンチモニター(実は同じBPM)で  測定可能か? III-5.周波数を可変にして、加速を行う。 周波数変化のパターン? 電圧変化のパターン? ビームポジションモニターまたはファラデーカップにより、  エネルギーの増加が軌道変形の増加として測定できるか  (周波数と半径の関係)? バンチ波形をエネルギーとともに測定する? III-6.もう一度、はじめから調整を行う。 調整の目的は、ビーム強度最大とするか? III-7.フラットトップのエネルギーを可変にして、エネルギーごとのチューン  を測定する。 コヒーレント信号が見えない際には、何かキックを与える  ソースはないか(RFの電圧を急激に変える)? (平成12年2月7日)